英語アニメの吹き替えは、誰がやっているのか

アニメ豚

前回、「声優という専業エコシステムは日本にしかない」という話を書いた。では実際に、英語アニメの吹き替えは誰がやっているのか。

意外と知られていないが、拠点は東京ではないことが多いみたい

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主役はダラスとLAだ。 Funimationはテキサス州ダラス郊外に本拠を置き、長年アニメの英語ローカライズを手がけてきた。LA側ではBang Zoom! EntertainmentやStudiopolisが同じ役割を担っている。

そこで働いているのは、日本で言う「専業声優」ではない。舞台俳優、映像俳優、CMナレーターが副業として請け負っているケースがほとんどだ。「アニメ英語吹き替え専業」という職業はまだ確立していない。 ただし、Funimationやクランチロールが展開を広げるにつれて、同じキャストが繰り返しキャスティングされるようになり、事実上の「英語吹き替えレギュラー陣」が形成されつつある。


一方、日本の声優養成所に留学する外国人も存在する。

「声優を目指して日本に来た」という海外出身者のドキュメンタリーを見たことがある人もいると思う。 実際にいくつかの養成所は外国人の入学を受け入れている。 ただし条件はきつい。 授業はすべて日本語で行われるため、実質的に日本語能力N2以上が前提になる。「アニメが好き」だけでは入口にも立てない。

数としても多くはない。現状は「個人の情熱で来る例外的なケース」の域を出ていない。


では、日本の声優養成所はビジネスとして海外展開しないのか。

結論から言えば、ほぼ手をつけていない。

理由はシンプルで、声優教育は言語と文化に深く依存しているからだ。発声法、感情表現の作法、アニメ的な演技の「型」 これらは日本語と日本のアニメ文化の中で育った体系であり、英語圏にそのまま移植できるものではない。 フランチャイズ展開しようにも、カリキュラムをゼロから作り直す必要がある。

需要がないわけではない むしろNetflixとCrunchyrollの台頭で英語アニメ吹き替えの需要は増えている。 ただ、その需要を満たすための「英語版の声優養成所」を誰が作るか、まだ答えが出ていない。

↑案の定、crunchyrollは日本からアクセスすると、liegion弾かれる、VPN使うしかないみたい、 というか、日本にいれば地上波でも配信でも、アニメに事欠くことは無い

日本が70年代に作ったエコシステムは、今のところ「輸出」されていない。されているのは作品だけだ。その作品を英語に直す現場は、まだ即席のパッチワークで動いている。

それが変わるとしたら、おそらく10〜20年単位の話になると思う。

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