HHKBを「真の有線化」したら、体感が変わらなかった話——でも犯人は見つかった

前回の記事で「有線に切り替えたらバチバチになった」と書いた。
あれ、実は続きがある。
Fn+Ctrl+0の存在を知らなかった
有線接続で感動していた翌日、設定画面を見て気づいた。
「USB給電中・Bluetooth connected」
……まだ無線だった。
USBケーブルを挿しても、HHKB Professional HYBRIDはデフォルトで「ケーブルから電気だけもらいながら、キー入力はBluetoothで飛ばす」という仕様になっている。真の有線モードにするには Fn + Control + 0 を押す必要があった。知らなかった。
気を取り直して、Fn+Ctrl+0を入力。「not connected」表示に変わった。これで真の有線だ。
バチバチ打ってみる。
……あれ、変わらない(笑)。
最初の感動の正体
前回感じた「バチバチ感」は何だったのか。
おそらく、**「電池からUSB給電への切り替え」**だ。
Bluetoothのままでも、電源がUSBになることで、キーボードの制御チップが安定した電圧・電流を受け取れるようになる。その時点で、不安定だった通信が改善していた。
真の有線化(Fn+Ctrl+0)は「安定した状態から、さらに完璧な状態へ」の移行。数ミリ秒の差は、人間には誤差の範囲だった。
犯人は電池だった
では、そもそもなぜチャタリングが出ていたのか。
電池を確認してみた。
サンヨー製エネループ:購入したのは10年以上前。SANYOのロゴが入ったカラフルな仕様で、eneloopというロゴが可愛くて愛着があり、ずっと使い続けていた。
Amazon Basics 高容量電池:こちらは2022年購入。まだ4年しか経っていないと思っていたが、高容量タイプは充電回数500回が上限で、寿命の曲がり角だった。
二種類の電池、両方が同時期に限界を迎えていた。
電池には「電圧」「容量」「内部抵抗」という概念がある。経年劣化すると、内部抵抗が増えて電気が通りにくくなる。Bluetoothの通信は瞬間的に大きな電流を必要とするため、内部抵抗が上がった電池だと電圧がストンと落ちて誤動作する。
あの「波がある、デジタルっぽくない挙動」の正体は、電池の化学的な劣化だった。アナログな反応が、デジタルの動作に滲み出ていた。
エネループとの別れ
SANYYOのカラフルなエネループには愛着がある。
あのマットな質感、遊び心のある配色、「eneloop」のフォント。Panasonicに買収される前のデザインで、ガジェット好きなら一度は見たことがあるはずだ。「捨てられない」という感情は、性能への執着ではなく、デザインへの敬意に近い。
ただ、HHKBの相棒としては、もう引退させるべき時期だった。
結論:有線か無線か、まだ迷っている
有線の安定感は本物だ。チャタリングはゼロ。接続トラブルも考えなくていい。電池残量も関係ない。
でも、デスクにケーブルが1本這うのは、精神的なノイズになる。ミニマリストにとって「何もないデスク」は機能の話ではなく、思考の環境設定だ。
数日様子を見て、どちらが勝つか確認する。
「ケーブルの安定」か、「デスクの清潔さ」か。
正直なところを言うと、まだ迷っている。
使用機材: HHKB Professional HYBRID Type-S / Fn+Ctrl+0 で有線モード切替